2011年1月25日火曜日

夜明け前 / 島崎藤村

第一部、第二部それぞれ上下巻。長編でした。
舞台は明治維新の前後。主人公の青山半蔵は、木曽街道の美濃境に近い馬籠宿の本陣・庄屋・問屋を兼ねる第17代の当主です。
平田派の国学を信奉し、政治運動への参加を願うが、木曽11宿の総代として街道の仕事は多忙を極め思いは果たせない、という状況です。

この青山半蔵の人生を描きつつも、明治維新史そのものについての記述も多く、歴史小説的なものとして楽しみました。しかも、司馬遼太郎などと違って、主人公は歴史の表舞台に出て行き損ねる人です。幕府の瓦解からの時代の流れを、どちらかというと一庶民的な視点から見せてくれます。


島崎藤村の作品をできるだけ発表された順に読もうとおもっていたのに、「破戒」「家」の次にあやまって晩年の「夜明け前」を読んでしまいました。やっぱり少し暗いですが、そこまでではなかったですね。

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