2010年10月6日水曜日

音楽嗜好症(ミュージコフィリア)―脳神経科医と音楽に憑かれた人々: オリヴァー サックス

音楽することと脳の関係、考えると不思議です。
「落雷による臨死状態から回復するやピアノ演奏にのめり込みだした医師、ナポリ民謡を聴くと必ず、痙攣と意識喪失を伴う発作に襲われる女性、指揮や歌うことはできても物事を数秒しか覚えていられない音楽家など、音楽に必ずしも好まずして「憑かれた」人々を温かく見守りながら、時にしつこく人間の頭の中にまといついて悩ませ、時に障害を治療する効果を発揮する、人間にとって不可分の存在であるように思われる音楽に共感を馳せる。脳神経科医サックスの待望久しい本格的医学エッセイ。」

脳に起こる障害や異常と音楽の関わりの事例がたくさん紹介されています。
読み物として面白くて一気に読みきってしまいましたが、演奏をしている人間としては、少し怖くなるような気分もあります。
音楽を演奏できること、認識出来ること、そもそも聴こえていること、想像出来ること、聴きたくないときに聴かずにいられること、聴きたい曲を聴いて喜べること、そんな当たり前のことがかけがえのないことのように感じられます。

他のもいろいろ考えさせられますが、読んでよかった本です。

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