2010年8月4日水曜日

東大生はバカになったか : 立花隆

先月まで読み続けてた「天皇と東大」は『文芸春秋』に連載されたものの5回目以降を単行本化したもだそうです。
で、その連載の1~4回目にあたるのが、この「東大生はバカになったか」だそうです。
なので、せっかくだから読んでみました。
非常に読み応えのある内容でした。
もっと若い頃に読むべきだったかともおもいますが、たぶんその頃読んでも分かんなかったかなともおもいます。いまやっとこの危機意識を共有できるようになってよかったと思うことにします。

大学や、もっと広く日本の教育が今のままでは、教養のある人間が育つことは期待できず、やがて世の中でそれなりのポストに就く人たちも教養のない人ばかりになってしまい、日本は知的に滅びるんじゃないか、ということです。

大学の入試のあり方や、ゆとり教育などの教育制度によるところが大きいと思いますが、高校で履修する科目が少なくなっています。
自分の場合は、普通科の高校に通って、理系の大学を志望しました。
そうなると、日本史か世界史、どちらかしか履修しません。しかも受験で使わないから真面目に勉強しません。
また物理で受験することにしたので、生物や化学の授業はほとんどなかった(か忘れてしまうぐらい少ない)です。
なので大学に入った時点で、数学と物理と英語以外のすべての科目はほぼ中学卒業レベル、のような状態になります。
で、さらに、大学4年間(自分は留年したら5年間)でもその状態はあまり変わらないということもありえます。

あくまで仮に、自分が大学で講義をしっかり聞いて勉強して、卒業したとしても、総合的に見るとその知識が中学レベルという分野が残ることになります。
実際には自分はなんとか卒業しただけなので、全体的に中学レベルかもしれません。
自分の場合には、幸いいまはジャズミュージシャンをしているので、広い分野にわたる知識がないことによって生じる他への迷惑は、そう多く無いと思いますが、これがより責任のある立場にあったらそうはいきません。


自分のはなしですが、ここ何年かいろいろ学びたくなってはいます。
どうもいろいろな面で知識がすくなすぎて、物事を判断しようとしても、判断材料が足りないことが多いからだとおもいます。
で、この本を読んだら、自分がやりたいことが分かってきました。
平べったく言うと、年相応(?)の教養を身につけたかったようです。

この本を読んで、考えも整理できたような気がするし、やる気が出てきました。

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