この度はご迷惑、ご心配、お騒がせしまして申し訳ございましせんでした。
明日以降、通常通りの活動に戻りたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
今回ことの始まりとなった簡易抗原検査キットですが、「研究用」と但し書きがあり、さらに注意事項として
【1】当製品の使用は体外診断用医薬品ではなく研究用になりますので新型ウイルスの診断確定に使用するものではございません。
【2】新型ウイルス感染を疑う症状があると不安を感じている方に対して、感染有無判定の参考として使用してください。抗原テストの結果は、SARS-CoV-2感染の診断や治療の目的として使用しないでください。
【3】本製品は既往感染や現症感染を区別できない抗体検査の不足を補い、新型ウイルス感染者に臨床診断の補助として使用します。陰性の結果の場合でも、心配であればPCR検査をお勧めします。臨床診断としては使用できません。
【2】新型ウイルス感染を疑う症状があると不安を感じている方に対して、感染有無判定の参考として使用してください。抗原テストの結果は、SARS-CoV-2感染の診断や治療の目的として使用しないでください。
【3】本製品は既往感染や現症感染を区別できない抗体検査の不足を補い、新型ウイルス感染者に臨床診断の補助として使用します。陰性の結果の場合でも、心配であればPCR検査をお勧めします。臨床診断としては使用できません。
などの記載のある、中国製のものでした。
精度としては
感度：87.58%(95%CI:81.04%-92.17%)
特異度：99.09%(95%CI:96.4%-99.84%)
全体一致率：94.37%(95%CI:92%-96.29%)
特異度：99.09%(95%CI:96.4%-99.84%)
全体一致率：94.37%(95%CI:92%-96.29%)
などの記載があります。
いろいろ調べて考えて、この検査キットは、無症状で明確な感染疑いも無い状況で使用すべきものではないと判断し、PCR検査で陰性だった自分は感染の疑いは低いということで活動再開といたします。ご了承ください。
このキットの性能が信頼しにくいというのもありますが、仮にこの製品の精度が記載通りだとして、隠れた感染者を発見するために使用するに値するのかという問題があります。
仮に感度（感染者が正しく陽性と判定される確率）、特異度（非感染者が正しく陰性と判定される確率）99％の検査キットがあったとします。
この検査キットで陽性と出たら、本当に陽性である確率は99%って思ってしまいそうになりますよね（ならない？）。
やりたいこととしては何人かに一人隠れている感染者をこの検査キットで見つけたいということだと思います。
例えば、
ここに精度99％の検査キットがあります。
陽性の人100人が検査したら99人陽性と出て1人は陰性と出てしまいます。
陰性の人100人が検査したら1人は陽性と出てしまいますが99人は陰性とでます。
このキットを使って陽性と出た場合に本当に陽性である確率は、感染者がどれくらい隠れているかによって違います。
このキットを使って1万人に検査した場合を考えます。
◆感染者が10000人のうち5000人の場合
普通にはありえないぐらい多いですが、二人に一人は実は感染という状況です。
何らかの疑わしい症状がある人や明らかな濃厚接触者を10000人集めたらこういう感じかもしれません。
感染している人5000人の結果 陽性と出る人 4950人 陰性と出る人50人
感染していない人5000人の結果 陽性と出る人 50人 陰性とでる人4950人
陽性と出た人が本当に感染している確率は
分母が陽性と出た人の総数 4950+50で5000
分子が感染している人で陽性と出た人の数 4950
なので
4950/5000 で 99％
精度通りの確率！
◆感染者が１００００人のうち1000人の場合
１０人に一人は感染者がいるという状況です。
感染者1000人の結果 陽性990人 陰性10人
非感染者9000人の結果 陽性90人 陰性8910人
陽性で本当に感染しているのは
分母 陽性の総数 990+90
分子 感染者で陽性 990
で
990/1080 で 91.67%
少し下がりましたが役に立つレベルでしょうか。
◆感染者が10000人に100人
100人に1人が実は感染者という状況。
多いような気がするものの実際にこのぐらいいるのかもとも思えなくもないぐらい。
感染者 陽性99 陰性 1
非感染者 陽性99 陰性9801
陽性で本当に感染している確率は 99/198 で50％
99％の精度のキットで陽性だったときに本当に陽性である確率が半分となります。
◆感染者が10000人に10人
1000人に1人が実は感染。
だいぶ少なく見積もっているようにも見えますが、たとえば東京都なら実際には1万人以上感染者がいるという状況です。
感染者 陽性10 陰性0
非感染 陽性99 陰性9891
陽性で本当に感染している確率は 10/109 で9.17％
陽性と出ても感染している確率はだいぶ低いです。
◆感染者が10000人に1人
感染者 陽性1 陰性0
非感染者 陽性99 陰性9900
陽性で本当に感染 1/99 で 1.01%
この状況では役に立っているとは言えなくなってきました。
なにをやっているのかよくわからなくなってきましたが、要するに陽性って出ても99％陽性だといえるのではないってことです。ここに医師の診断や、いろいろな状況を加味して判断するのだと思います。なので、これは多少精度のよいPCR検査についても同じだと思います。
このような検査キットがなんの役にも立たないってことではなくて、たとえば熱があって味覚もおかしいかも、こうなったらだいぶ感染している可能性が高いんじゃないか、とりあえず自前でできる検査をしてみようって時には参考程度にはなると思います。
精度が確かだとしてもこう思うわけで、そこに製品の品質の問題、自分でする検査が正しくできているかどうか、とかいろいろな問題もあります。
なので、今後、こういう状況ではこのような検査は原則として受けないことといたします。
もし受けるとしてもよく考えて行動いたします。
今回、いろいろ勉強になりました。
こんな計算をしておいてなんですが、やっぱり感染しているのかも！って思ってしまったし、そう思ってみて感染させないための対策について再認識させられました。
なんで密を避けるとか、お酒の提供をやめるとか、アクリル板とかマスクとかしてるかっていえば、感染させられないようにもそうですが、自分が実は感染しているっていう前提で他人に感染させないように気をつけているわけですよね。
そこのところ認識をあらためて、今後も気をつけて過ごして参りたいと思います。
あと、「抗原検査キットで陽性でした」って言っただけで保険適用でPCR検査してもらえたのはすこし驚きでした。
今回、ご迷惑、ご心配、お騒がせいたしました。
どうも申し訳ございません。
ご対応、お気遣いくださったみなさま、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
上のCのところの赤い線だけ出たら陰性で、このように下のTのところにも赤線がでるのが陽性だそうです。
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